今、君に伝えたい
親に怒られてしまっても仕方がない。




俺は、小さくて冷たい花音の手を握った。




花音……お願いだから死なないでくれ。






まだ花音と、一緒にいたい。




まだ花音に言えてないことがたくさんあるんだ。






俺がもっと早く家を出て、花音を探し出せていたら




こんな事故に合わなくてよかったのに。




俺がもっと、花音をほったらかしにしてなかったら




いろんな相談に乗ってやれたのに。






ごめん…ごめんな…花音……




俺は花音の手を温めるように




俺の想いが花音に届くように




少し強めに、両手で包んだ。




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