今、君に伝えたい
「優でいい。」







ついつい、無愛想になってしまう。







どうやって接せればいいのかわからない。






「………優と私は幼なじみなんですね。」




「敬語もいい。」




なんて俺が言うと、気まずそうに苦笑いを花音はした。




「私にとって、出会って数分の人にタメ語呼び捨てで話すのは…難しいね。」





俺、バカ。




花音困らせてどうするんだよ。






「ねえ、優?」






「ん?」






それはどこからどう見ても、いつもの花音で。






「私は、今まで出会ってきた人や、思い出が思い出せないの。」




「知ってる。」





いつも隣から見ていた顔だった。









「…私は、どんな人でしたか?」






「……………………」







「私といて、楽しかったですか?」







「……………………」







「私は、幸せそうでしたか?」



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