今、君に伝えたい
と、くすくす笑いながら嬉しそうに言った。





すると、"キーンコーンカーンコーン"という、聞きなれない鐘の音がした。





「花音、座らないと」





「えっ………どこに」





聞こえちゃうとまずいから、ちっちゃな声で優に尋ねる。





「ここの列の後ろ!」





「あ、ありがとう!」





ここの列の、後ろね…。





優は私にそう伝えてから、自分の席に戻っていった。





今、この教室の中で事情を知っているのは優のみ。





ここでばれたら、みんなを混乱させちゃう。





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