今、君に伝えたい
*優side







「へへっ…大丈夫だよきっ……」







その言葉のあと、どさりと隣から音がした。







隣を見ると、目をつぶった花音が倒れていた。







顔は火照っていて、赤かった。







もしかしてさっきから無理して笑ってたのか??







とりあえず、花音を起こさないと。







「おい、花音!花音!」







肩を揺するけど、花音は起きなくて。







額に汗が滲んでいるのが見える。







家から約10メートル。







俺は背負っていたリュックを道端において、花音を抱っこした。







思っていたより軽くて、びっくりした。







初めての…お姫様抱っこ。







周りに人がいなくてよかった。







遠くで読書の時間を知らせる遅刻のチャイムがなっている。







これは遅刻になっても仕方がない。







言い訳をしたら遅刻にならないかな?







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