今、君に伝えたい
今、きみに伝えたい
バイクのうるさい音が聞こえた。
目を開けると、そこには血まみれの壮絶な光景…………ではなくて。
子供を抱いたいつもの優がいた。
「ふぅ…あぶなかっ…」
「優!!!よかった…よかったぁ…」
優は無傷で、子供ももちろん無傷。
ビシバシと優の肩をたたきながら、泣いてしまっていた。
「ちょ、泣くなよ!!」
「おねえちゃんなんでないてるのー?」
「だって……死んじゃうかと思って……死んだらどうしよって…」
今は、盛大に泣いちゃってもいいよね。
だって、 本当に不安だったもん。
「あ、おかあさん!!!」
「もう日向!!」