今、君に伝えたい
私は近くにあったスマホとイヤホンを手にした。




「お父さんなんか、大嫌い!!」




少し声が震えてしまったけれど、大きな声で叫んだ。






私はお父さんの間をすり抜けて、走る。




早足で階段を駆け下り、ゴムサンダルに足を突っ込む。





玄関の重いドアを力強く開けて、真っ暗闇な外に飛び出した。




「おい、待て!!」




「花音!帰ってきなさい!」




そんな声も無視して、走り出す。




11月の夜は寒い。



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