今、君に伝えたい
「本当に何も覚えてないのかな?」




「はい。」




「どんな小さなことでも構わない。」




「自分がどういう人生を歩んできたのかが全くわからないんで、答えられません。」




思い出そうとはしている。




でも、ベットから目覚めたときからの記憶しかないのだ。




思い出そうとして頭が痛むわけでもないし、過呼吸になることもない。




ただ、思い出せないだけ。




病室に戻ると、親は悲しそうな顔をしながら 病室を出て行った。






両親も私と同じように、混乱しているのだろう。






せっかく自分の娘の命が助かったのに、その娘がなにも覚えていないのだから。







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