君と星空を
今日も暑い。
夏だから仕方ないんだけど
暑すぎてどうにかなってしまいそうだ。
「志帆~、利沙~、暑すぎるよ~」
移動教室に向かう途中、廊下を歩きながら
志帆と利沙に話かけた。
「ほんと、ほんと、暑くてやる気でない~」
志帆が答えた。
「うん、私、暑すぎて頭おかしくなっちゃいそう。」
私が呟くと
「でも、由夏は暑さに関係なく頭おかしいでしょ」
利沙がバカにしてきた。
「もう~、利沙ひど~い。私はおかしくないっ。」
いつものやり取りをしながら歩いていると
"バサッ"
前から走って来た男子が私にぶつかって
私の教科書やプリントがぶちまかれた。
ぶつかったほうの男子は謝りもせず、
そのまま走り去った。
「何なの!あの人、最低」
私は文句を言いながら廊下に散らばったプリントを
拾おうとしゃがんだ。
「永本さん、大丈夫?」
誰がそう声をかけて拾ってくれた。
倉田君だった。
「あっ、ありがとう」
倉田は拾ったプリントを私に渡すと
そっと微笑んで行ってしまった。
私は顔がかっと熱くなるのを感じた。
嬉しすぎる。倉田君がプリント拾ってくれた。
それにあの笑顔、最高すぎる。
「さっきの男子に比べて倉田君良い人過ぎるね」
私が思っていたことを志帆が言った。
「ていうか、由夏、顔赤いんだけど」
志帆に言われた。
「暑いからだよ。」
私は暑さのせいにした。
「どうせ、倉田君のせいなんでしょ。」
利沙が言ってきた。
「違うよ~」
私は恥ずかしくなってそう言った。