君と星空を
それから特に何も変化はなく、
良いことなんて起こらなかった。
あれはただの偶然だからね。
「由夏、聞いて欲しいことが…………」
朝からテンション高めの志帆が話しかけてきた。
「朝からよく、そんな元気があるね~。
一体何なの?」
私は志帆とは正反対のテンションで答えた。
「実はね、好きな人ができたの。」
「はっ?」
予想外の志帆の一言に私は大きな声を出してしまった。
「何でそんなに驚くの」
「だって、この前、裕斗に告白したばかりじゃん。」
なんてこの子は気持ちの切り替わりが早いのか。
「それで、次は誰なの?」
私はお調子者の志帆にあきれながらも聞いた。
「それは……………」
えっ、まさか、倉田君?
私はすっごく心配になった。
もし、志帆と好きな人が同じだったら………。
嫌な考えが頭をよぎった。
「じゃあ、由夏が教えてくれたら教えてあげる。」
志帆はそう言いながらもすごく言いたそう。
私は少し迷ったけど言うことにした。
「いいよ、私の好きな人教えてあげる。
私が教えたら、ちゃんと教えてよ」
「はい、はい」
にこにこしている志帆の耳元で私は答えた。
「倉田君」
「えっ、そうなんだ。確かに良い人だよ。」
あ~良かった。違ったんだ。
今の反応で志帆の好きな人が倉田君ではないことが
わかってほっとした。
次は志帆の番だ。
「志帆、誰なの?」
志帆も私と同じように私の耳元で答えた。
「四組の坂谷君」
「へ~なるほど。」
まぁ、なんとなく想像はついていた。
それにしても、志帆は変わるのが早すぎだ。