君と星空を
その次の日、私は昨日のどきどきを胸に抱えたまま学校に行った。
「おっはよ~」
いつもより元気に挨拶をして自分の席に着く。
私があまりにもテンションが高いものだから
志帆と利沙が驚いたように顔を見合わせていた。
「ちょっと、由夏どうしたの?」
「由夏が朝からテンション高いなんて珍しいじゃん。
何があったの?」
二人とも興味深く聞いてきた。
「昨日、すごいことがあったの」
私は二人の反応を想像してしばらく黙っていた。
「早く言ってよ。」
「気になるよ~」
二人そろって急かした。
私はまた、興奮しながら話した。
「実は昨日、倉田君に告白されて、
一緒に帰ったの。それで最後に呼び捨てで
名前を呼んだの。」
私が言い終わったか言い終わらないかという時に二人は
声を上げていた。
「嘘!!」
あまりにもその声が大きかったので
周りにいた人がみんなこっちを見た。
「志帆も利沙も声でかすぎ。」
「ごめん、あまりにも衝撃すぎたから。」
二人して同じ事を言った。
「まぁ、でも私達、由夏のこと応援するよ。
頑張って!」
「うん、ありがと」
私はまだ、昨日の嬉しさとどきどきが治まらないまま
一日を過ごした。
学校にいる間は隼人とは話さなかった。
みんながいると恥ずかしかったし、他にも隼人のこと
好きな人たくさんいると思ったから。
でも、帰りは一緒に帰る。
昨日約束した。
部活が早く終わった方が待って
必ず一緒に帰るってこと。
だから、今日も隼人と一緒に帰れる。
短い時間だけど、
私にとっては恥ずかしくもあるし、
とってもとっても幸せな時間。
2年生もあと少し。
2年生で一緒に帰れるのもあと3日だ。