君と星空を
「隼人、お待たせ~」
「由夏、遅かったな」
「ごめん、ごめん、忘れ物しちゃって」
「やっぱり、由夏はマイペースだね」
「べっ、別にいいでしょ。」
今は夏休み。
今日は隼人の家で勉強することになっている。
今から隼人の家に向かう。
隼人の家族にも会うから
とっても緊張している。
「隼人、ここから遠い?」
緊張しているのがばれないように聞いた。
「ううん、すぐそこだよ。」
隼人はそう言って歩いていく。
「待って~、隼人、」
私も急いでそのあとを追いかける。
しばらく隼人についていって
「ここだよ」
オレンジの屋根の大きな家の前で
隼人が足を止めた。
ここが隼人の家か
私は更に緊張して中に入った。
「あら、由夏ちゃん、いらっしゃい。
どんな子かと思ったら可愛くて良い子じゃない。
いつも、隼人がお世話になります。
今日はゆっくりしていってね。」
「はい、おじゃまします。」
隼人のお母さんに迎えられた。
隼人に似てとても優しそうな人だった。
それから、隼人の部屋がある二階に上がった。
はじめて入る隼人の部屋。
私の部屋とは大違いで綺麗に整理されていた。
部屋から隼人の良い匂いがする。
隼人の部屋に新鮮さを感じた。
「そこ座って」
隼人に言われて部屋の真ん中に置いてある小さな
テーブルに隼人と向かい合うようにして座った。
「さっそく、始めようか」
隼人に言われて私は持ってきた数学の問題集を広げた。
しばらく自分で問題を解いた。
でも、すぐに分からなくなって隼人に聞いた。
「ねぇ、隼人、ここ、わかんない。 教えて」
「ここはまず、………………………」
わからないところを隼人に教えてもらった。
隼人は優しく、ゆっくり教えてくれる。
だけど、私は途中から内容じゃなくて
隼人の顔ばかり見ていた。
「由夏、聞いてる?さっきから集中してないようだけど」
隼人に気づかれてしまった。
「だって、隼人のこと気になるんだもん」
正直に答えた。
「俺も由夏のこと気になるよ。
でも、あとちょっとは集中してやるよ。」
隼人も同じこと思っていたみたいだったけど
真面目で……………。
私もしかたなく、勉強することにした。
隼人があまりにも真剣だったから。
それから、しばらく勉強したら
また、いつものような会話をした。
「今度は私の家に隼人が来てね」
「うん」
最後にそう言って
隼人の家を出た。
また、楽しいひとときだった。