君と星空を
「お待たせ~隼人」
私がかけていくと
待ちくたびれた様子の隼人がこっちを向いて
「遅いよ、由夏」
笑いながら言った。
「どうする?」
隼人が聞いた。
「う~ん、まずは見てみよう」
私はそう言って隼人の手を引いた。
「ねぇ、あれ、金魚すくいやろ」
「子供みたいじゃん。」
「いいから、やろ」
恥ずかしそうな隼人を無理やり連れて
私は金魚すくいをした。
私は2匹しかとれなかった。
隼人は普通に5匹はとってた。
「お腹すいたね~」
「何がいい?」
「何でも良い」
私がいったら隼人が焼きそばとたこ焼きを買ってきてくれた。
それから二人で近くにあった飲食コーナーに行って食べた。
そのあとは色んなお店をぐるぐる回った。
もう、疲れたから帰ろっかってことになって
二人で帰った。
隼人が
「公園に行こう」
って言い出したから
私たちは公園に向かった。
公園に着いても何も喋らない隼人に私は
話しかけた。
「ねぇ、隼人今度の花火大会………」
「ごめん」
私が言い終わらないうちに隼人が言った。
隼人は少し悲しそうに笑ってから言った。
「由夏、もう、別れてほしい」
えっ?
私は自分の耳を疑った。
でも、確かに隼人はそう言った。
私はわけが分からなかった。
「えっ?どうして?」
「隼人、私のこと嫌いになったの?」
「私、何かした?」
「私の何がいけなかったの?」
「教えて?ねぇ、隼人、私、納得できないよ。
ちゃんと説明して」
私は必死になって言った。
でも、隼人は何も答えず、首を振るばかりだった。
「由夏、ごめん」
隼人はそう言って私の手の中にキーホルダーを置いた。
付き合って1年の記念日に二人で買ったキーホルダー。
そのキーホルダーには星がいくつもついている。
二人のを会わせると星がつながるっていう
思い出のキーホルダー。
隼人はそのまま走り去った。
私はどんどん小さくなっていくその後ろ姿をいつまでも
いつまでも見つめた。
何で?
どうして?
今までの私たちはなんだったの?
結婚しようって言ってくれたのは
嘘だったの?
私は隼人のことこんなに好きなのに。
私は手の中のキーホルダーを見つめた。
そして、隼人との楽しいたくさんの思い出を
思い出して泣いた。
公園でただひとり。
泣いた。
今まで隼人が見せてくれたあの笑顔。
優しくしてくれたこと。
すべてが過去のことになってしまった。
もう、私のところへ来てはくれないんだね。
私は悲しみに暮れたまま家に帰った。