君と星空を


病室に着いた。



泣かない。泣いちゃダメだ。

私は自分に強く言い聞かせて

病室に入った。





そこには人工呼吸器やたくさんの医療機器が繋がれた

変わり果てた姿の隼人がいた。






「今は、目は閉じているけどちゃんと声は聞こえる
はずだから、話してあげて。」




隼人のお母さんにそう言われ


私は隼人のそばに言って話しかけた。








「ねぇ、隼人。聞こえる?
由夏だよ。
隼人、ごめんね。何もできなくて。」


言葉を出そうとすると泣きそうになった。



泣かないように唇を強く噛んだ。





「隼人、ほら、これ」



私は星のキーホルダーを枕元に置いた。




隼人が返したキーホルダー。



私はずっと隼人と一緒にいたいから。

繋がっていたいから。


あのキーホルダーを渡した。





このキーホルダーで隼人と繋がっていられる気がして。








「ねぇ、隼人。星、また、見ようよ。
隼人が元気になったら一緒に見よう。
約束しよう。」



私は弱々しくなった隼人の指を握った。






「隼人、またくるからね。」








泣くのを必死にこらえて、病室を出た。






涙が目いっぱいに溢れて前が見えなくなった。












「由夏ちゃん、今日はごめんね。
来てくれてありがとね。
隼人もきっと喜んでるよ。」




帰り際、隼人のお母さんに言われた。











帰り道、悲しい気持ちでバスに乗り、

家までの道を歩いていた私は

立ち止まって空を見上げてみた。




今日も綺麗な星空が広がっていた。




隼人、今日も綺麗だよ。

また、絶対、一緒に見ようよ。



私は心の中で隼人に話しかけた。



















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