君と星空を
休み時間、友達の志帆(しほ)と利沙(りさ)
と私の机の周りで話していた。
「ねぇ、ねぇ、聞いて今日ね。
3回も裕斗(ゆうと)と目があっちゃったの」
クラスメートの裕斗のことが好きな志帆。
いつも、口を開けば裕斗の話ばかりしている。
「そうなの、良かったじゃん」
なぜか、利沙もテンションが上がっている。
「志帆は裕斗のどこが好きなの?」
特に知りたい訳じゃないけど
なんとなくで聞いてみた。
「う~ん、やっぱ、ちょっとおバカなとこあるけど
運動神経良いし、一緒にいて面白いってとこかな。」
志帆はニコニコしながら嬉しそうに答える。
いつもこんな感じだ。
「なるほどね~」
私は返事を返しながら
教室を見渡してみた。
倉田君を探して。
見つけた。
私の視線の先の
倉田君は隣の席の女子と楽しそうに話してた。
ずるい。ずるすぎる。
私は見たくないものを見てしまったと
志帆たちの会話に耳を傾けるも
やっぱり倉田君のことが気になって
そちらに視線を向けた。
まだ、なにやら隣の席の子と話していた。
私も倉田君の隣の席だったら良かったのに。
そしたら、倉田君と話せる機会があるのに。
私がそんな焼きもちを焼いていると
国語の担当の大島先生が教室に入ってきた。
あ~もう、授業か、
志帆たちとの会話を切り上げて席に着いた。
倉田君を見ることを忘れずにね。