凍ってしまった王女の心
それから、なるべく話さないようにしていたけど、初めて、呪いの効果が出てしまった時ネロは、なぜか喜んだ。
呪いの効果による初めてのリアクションに私は、変な人と関わってしまったのでは、ないかと少し不安になった。

そして、今初めてネロという一人の男性に心を開いたような気がした。

いや、ネロと会ったときからすでに、私の凍った心が溶かされていくような気がしていた。

それから、私が大泣きした後、私の思っていることが分かる理由を少しずつだけど話してくれた。

王子として生まれ、生まれつき相手の思っていることが分かること。

相手の思っていることが分かるのがとても異質で怖かったこと。

そして、そのことを婚約者に話すと気持ち悪いと拒絶されたこと。

それが苦しくなって王宮を出てきたこと

思っている異常に壮大で私よりも辛い過去を聞くとなぜか私は、泣いてネロを抱きしめていた。
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