学園の通り魔
出合いの一日
入学式、教室は浮かれた空気でいっぱいだ。
もうすでに友達作りを始めているせっかちなやつらの声が、絶え間なく耳に入ってくる。
そのざわざわに紛れて、教卓の前にいる担任の水野沙和の声が聞こえた。その方向に顔を向ける。
「全く、初日から遅刻だなんていい度胸してるじゃない」
怒られた生徒が、申し訳なさそうに顔を俯かせる。
「はぁ…すみません」
俺はしばらくの間、頬杖をついて、ぼーっとその人を眺めていた。
赤い髪に、尖った顎。短くカットされた髪といい、まつげの短い若干吊った目といい、制服が似合わないにも程がある。
しかも入学式に遅刻、悪目立ちし過ぎ。
だからかも知れないし、変わった名前だったからかもわからない。その名前はすぐに覚えることができた。
もうすでに友達作りを始めているせっかちなやつらの声が、絶え間なく耳に入ってくる。
そのざわざわに紛れて、教卓の前にいる担任の水野沙和の声が聞こえた。その方向に顔を向ける。
「全く、初日から遅刻だなんていい度胸してるじゃない」
怒られた生徒が、申し訳なさそうに顔を俯かせる。
「はぁ…すみません」
俺はしばらくの間、頬杖をついて、ぼーっとその人を眺めていた。
赤い髪に、尖った顎。短くカットされた髪といい、まつげの短い若干吊った目といい、制服が似合わないにも程がある。
しかも入学式に遅刻、悪目立ちし過ぎ。
だからかも知れないし、変わった名前だったからかもわからない。その名前はすぐに覚えることができた。