明日の空は。
ジリリリリ!!

うるさい。ほんとにうるさい。
今いいところなんだから起こさないでよね。

手探りで頭上の目覚まし時計をとめる。
そう、目覚まし時計を。
…目覚まし…時計…

「あ!!」

そういえば結構前から目覚ましがうるさかったような…。
自分の気のせいであってくれと願う。
きっと夢の中でもアラームがなっていたんだ。
うん、きっとそう!

「ほ~らね!まだ8時12分じゃん!」

ほら!思った通り!
8時30分に朝のホームルームが始まるんだからだいじょぅ…ぶ…

あ…れ?

「あぁぁぁぁ!!!遅刻じゃんかぁ!!」

うわぁ!どうしよう!
昨日も遅刻したのに!

「お母さんのバカ~!なんで起こしてくれないのさ!!」

「高校生にもなったんだから少しは自立しなさいって言ったでしょ!」

バカはどっちよ!と、あっさりと私を見捨てるお母さん。
こんなにあなたに似ている娘を助けてくれないんですね!
ちらりとお母さんを見ると、ふわふわの玉子焼きをくわえていた。
私の大好きな玉子焼き…。
でも食べる時間なんてなくて。

「また怒られる~!!」

先生の説教を2日連続で受けるなんて苦痛以外の何物でもない。
徒歩20分の道をひたすら走る。

今は秋。
紅葉がグラデーションを作っていてとてもきれい。
…なんてことを思う余裕もなくひたすら走る。
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