ミーアキャット





「そんなこと転校生の
あいつらにはわからねぇんだよ」




「転校生・・・?」



「あの男美夜に近づいてきたと
思ったら、今日は邪魔な男が
そばにいないんだねって」


ぎりっっと
ハヤテのかみしめる音が聞こえる




「あんな男やめて俺にしない?
君を一人にしてさ
今頃仕事とか言って
他の女優とかと会ってたりして」



その光景が目に浮かんだ



俺は自分の無力さを
思い知らされた




「その瞬間美夜の様子が一気に
おかしくなったんだ


体が震え始めて目が開ききってて
突然教室を飛び出していった


俺たちは急いであとを追いかけた

きっと美夜は音楽室に行こうとしてた
その途中でほかの生徒とぶつかって
美夜はバランスを崩した

その拍子にガラスに体を打ち付けて
外に投げ出された」



俺たち三年は教室はすべて
一回にある


外に落ちても死ぬまでは
いかないかもしれない


でも今回は別だ


ガラスを突き破り
その上にバランスを崩した
状態でたたきつけられたんだ


打ち所が悪ければ
ガラスの破片がもし急所に
刺さっていれば間違いなく
俺は美夜を失っていた










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