ミーアキャット






ママのことがある前から
大翔のことは大好きだった



友達や幼馴染なんかじゃなく
特別な存在として



でも今はそれ以上に
大翔のことが大好きだった


好きの気持ちは止まることなく
大きくなっていく一方だった


パパともぎくしゃくしないで
やっていられるのも大翔が
いつも間に入ってくれてるから



ママのように不器用な私たちを
理解してただ笑ってみ守ってくれる



多くを語りはしないその
優しさがママにどことなく似ていて
少し寂しくなった





『猫は自由気ままで
誰にも靡いたりしない

でも、その見た目とは裏腹に
鋭い爪を持っていることを
忘れないでください』






去っていくその人の背中に
小さくつぶやいた



届いたのか届いてないのか



私はわからなかったけど
強く拳が握られた









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