ミーアキャット





「だから美夜を教室に
一人にさせることには
特にあの日は嫌だった


転校そうそう美夜に近づいてきて
その汚れた目で美夜を見るの

俺はすごく嫌だった
気に食わなかった


でも美夜に気持ちを何一つ
打ち明けられない俺に
そんなこと言う資格ないって
思ってたから結局その俺の弱さで
美夜にこんな怪我までさせて」





病院で意識が戻った時

大翔が本当につらそうな顔を
していた訳が分かった




『私たち二人とも
遊びの対象になってたんだね』





「まさか俺までなんて
想像もできなかったよ」




『大翔は自覚してないだけ』



「自覚?」



『大翔はかっこいい。
町を歩けばどれだけの数の
女の子が振り返ってると思ってるの』



「え、本当?
いつも視線は感じるけど
それは隣に美夜がいるからだと
思っていたし、

俺は美夜以外の女の子を
この目にきちんと映したことはない
からね」




王子様みたいに優しい笑顔


男の人なのに丁寧な言葉使い


醸し出す空気



女の子の理想を大翔は
全部かなえてくれるような人











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