ミーアキャット





「すまないね。
ここまでしてもらって」



「いいんです。
俺がしたくてしてますから」




「本当に、美夜はいい男を
見つけたね」



「俺が美夜を見つけたんですよ」



「それもそうだね」



漣さんに付き合ってくれるかといわれ
2人で静かな中晩酌がはじまった



そんなに語り合うこともなかったが
漣さんとの話は楽しかった




「もうすぐだね」


酒もまわってきたころ
漣さんは少し赤くなった頬で
美夜がいつも視線を向ける部屋に
同じ目を向ける



「俺とあの子を置いて逝ってしまう
なんてずるいよな。本当に・・・。」



頭を下げて俺に顔を
見られないようにしている蓮さん



その声は少し震えていたように
思えた





「誰よりも美夜の誕生を
喜んでたんだ。

お腹の中に美夜がいるって
わかったとき彼女はあまり
体調がよくなくてね。


医者には万が一のことを
考えてくれって言われたんだ」












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