豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!
「さっきのデザイン画、玲が書いたの?」
「ああ」
「可愛らしい服だね。フワフワひらひら。ちょっとロリータっぽい?」
「そこまで個性の強いものにするつもりはないんだが……」

玲がデザイン画のある寝室の方を視界の端に捉えながら、フッと笑みを溢す。

「……少し特別な日に着る服、といったところか。デザインに重きを置いている分、決して着心地が良い訳ではない。それでも、大切な人のために着たい――そんな、少し頑張りたいときに選んで欲しい」

服のこととなると玲は幸せそうな顔になる。
この顔を眺めているのは、結構好きだ。

「デート服ってことだね」

「まぁそんなところだ」

確かに、デートであんな可愛らしい服を着てこられたら、男の人は期待してしまうだろう。
その上――

「腕とお腹の素材、レースだった?」
「ああ」
「ひょっとして、肌透けてる?」
「そうだ」
「結構、色っぽいんだね……」
「ただ可愛いだけでは、子供服のようになってしまうだろ」

ちゃんと大人のセクシーさも考えられているんだ。
――お腹に肉があったら、着れない服だな。

「私とか絶対似合わないね」
「安心しろ。うちのブランドは、S、Mしかサイズ展開していない。お前には無理だ」

ああそうさ。私はLサイズさ。悪かったね。
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