豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!
「えと、日本初上陸の、雑貨屋さんがあるらしくって、友達と見に行こうって」

咄嗟に、声を裏返らせながら嘘をついた。

玲が私をじろりと睨む。
嘘をつくのが下手なのか、玲が鋭過ぎるのか、こういうときに見破られなかった試しがない。

けれど。

「……そうか」

あっさりと玲が引き下がった。
ほっ。私はそっと胸を撫で下ろす。
安心するのも束の間。

「で? 相手は男なのか」

「へ?」

思わぬ質問に、私は固まった。
玲の視線が、ちょっと鋭くなっている。

あれ。おかしいな。
玲って、こんなこと詮索してくる人だったっけ?

「ち、違うよ!」

気が付いたら、私は否定していた。
だって、あからさまに不機嫌そうなオーラ出してんだもん。

「女だよ。会社の先輩!」

またまた、軽く声が裏返った。

玲が私の顔色を覗いている。
不信感たっぷりの眼差し。
あ、たぶん、この嘘、バレてる。
ごくりと、私の喉が鳴った。


だが。


「そうか」

またしてもあっさりと玲は引き下がった。

あれ? 納得してくれた?

覗き見た玲は、何事も無かったかのようにパスタを頬張っている。

信用してくれたのかな……?

もしかして、男だろうが女だろうが、玲的にはどーだっていい? ちょっと聞いてみただけなの?

まぁいっか。

「玲にも何かお土産買ってくるね」
「甘い物ならいらないからな。土産にかこつけて結局は自分で食べるつもりだろう。太るぞ」
「すいませんでした……」

謝りつつも、しっかりとペペロンチーノはおかわりさせてもらった。
それを見越して、おかわり分を用意してくれているあたり、玲も私の体型を諦めているのかもしれない。

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