豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!
「水城ちゃん。食べ方が豪快だね」
お目当ての生チョコブリュレビスケットパンケーキを口いっぱいに頬張る私を見て、木嶋さんは笑った。
対する木嶋さんは、パンケーキをナイフとフォークで丁寧に切って口に運んでいる。お見本みたいな食べ方だ。
「木嶋さんは食べ方が綺麗ですね」
「仕事柄、ね。オフィシャルな場で会食することもあるから」
「……ごめんなさい、食べ方、女の子らしくなくて。空腹の犬みたいですよね……」
やっぱり犬なのか。ここでも私は結局犬レベルなのか。
木嶋さんが落ち込む私を見て慌てて手をパタパタと振った。
「そんなことないよ。そんなに嬉しそうに食べてもらえると、連れてきた甲斐があったってもんだね。おかわり頼む?」
「えっ! いいんですか!?」
そう言って私たちは二品目に突入した。
次はキャラメルパンナコッタティラミスパンケーキだ。
ああ、幸せだなぁ。
玲と一緒にきたら、絶対二品目なんて食べれない。
それどころか、一品目だって嫌な顔されるだろう。そもそも三時間待ちの時点で、一蹴されるに違いない。
木嶋さんくらいだよ、私のスイーツ愛を理解してくれるのは。
結局、木嶋さんは二品、私に至っては三品を平らげて、本日の目的は達成された。