豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!
四.王子様の懺悔
「大丈夫か」
一足先にベッドから起き上がった玲。
ブラックのスキニーパンツと白いシャツに袖を通し前を軽く留めたところで、まだベッドの中でうだうだしていた私の方へと振り返った。
ちょっとだらしなくシャツがはだけて胸元を見せている姿がとんでもなく色っぽい。
そんなこと無自覚な玲は、遠慮なく私の方へ顔を寄せて来る。
「……どうして、そんなこと聞くの?」
「起き上がらないから、具合でも悪いのかと」
それは、余韻に浸ってるというかさ。
終わった瞬間、しゃきん! なんて起き上がれないでしょ。
ましてや、なかったことになっちゃったんだよ?
この現実を、どう整理つけろっていうのさ。
「大丈夫だから、あっち向いてて。見られてたら着替えらんない」
「……悪い」
玲が部屋の隅へ行って、私に背を向けて立つ。
私は、部屋中に散らばってしまった自分の服を回収する。
のそのそと着替えながら、玲の後ろ姿を眺めていた。
やっぱり、恰好良い後ろ姿。
後ろから飛びつきたくなる。
……そんなこと、できないけれど。
着替え終わって、ベッドにちょこんと腰かけながら、後ろを向いて待っている玲へと声をかけた。
「着替え、終わったよ。こっち向いてもいいよ」
「……ああ」
玲がこちらを振り向く。
ばちりと、目が合う。
玲が先に目を逸らした。
居心地悪そうにして、視線を泳がせている。口がへの字に曲がってる。