豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!
「だって、さっきなかったことにしたいって――エッチしたこと、忘れたいって、後悔してるって……」

「お前があの男を選んだから、俺とするのはさぞ嫌だろうと思って」

あれ。もしかして、私に気を使ってたんですか?

「それに」と、玲が、気恥ずかしそうに目を伏せる。
頬を赤らめて、口元を押さえながら言う。

「いずれにせよ、あんな形で手を出してしまったことを悔いて。
お前とは……その、もう少し時間をかけて……順序立てた上で、そういう関係に」

こんなに恥ずかしそうにしている玲を見たのは、初めてかもしれない。
耳まで真っ赤にしながら、私の顔色をおっかなびっくり覗き込んでくる。

もしかして、今まで私に全然手をだしてくれなかったのは。
私との付き合い方、真剣に考えててくれたの?

玲を見上げたら、潤んだ瞳で申し訳なさそうに見つめ返された。
うわぁ、綺麗な瞳。

「お前が、他の男に身体を預けたんだと思ったら、頭に血が昇って、つい……
すまない。無理やりあんなことをして。痛かったろう?」

玲の手のひらが、私の頭を撫でる。

そんな、泣きそうな顔しないでよ。こっちが申し訳なくなっちゃうよ。
玲の方が、まるで捨てられた子犬みたいだよ。可愛いよ。

それから、そんなに優しく頭撫でないでよ。
玲に優しくされたことなんてなかったから、どうしていいか分かんなくなっちゃう。

甘えても、いいのかなぁ?
ちょっと怒っても、許してくれる?
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