そして僕らは
4月 それが始まり
始まりは桜の季節だった。
淡い、ピンクと眩いばかりの緑が入り交じった桜の木の下で、君は泣いていた。
そんな君の姿になぜだか僕は目が離せずにいた。
どうして泣いていたのかなんて今更聞けやしない。
けど、想像してみることはできる。
報われない恋の為に涙を流していたのかもしれない、と。
なぜだか、妙な直感によってそう思ったんだ。