そして僕らは




―――1年前―――






丁度この季節に僕は君に恋をした。





あの日のことを今でもはっきりと覚えてる。





忘れられるはずが、ない。



桜の木の下で、静かに涙を流す君はまるでそのまま消えてしまうんじゃないかと思うほど、危うげだった。





あの時あの場所で泣いていた理由は未だにわからないまま。







そして…
それを知る手立ては、ない。






君と僕の接点はないに等しい。






あるとすれば、同じ制服を着ている、ただそれだけ。





そう、1年前の僕は君の学年や名前すら知らなかった。






今日までは…





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