年下彼氏とSweet Life
彼氏は小学生【泉side】
すぐ目の前の通りには、満開の桜の木が並んで立っていて、春の訪れを喜んでいるようだ。
桜を見上げていると、走ってくる足音に気付き、私は思わず振り向いた。
「泉(いずみ)、ごめん!」
「聖(せい)、遅いよ、待ちくたびれたよ。」
「ゼミの申し込み者が凄く多くて、待たされたんだよ。ごめんね。」
と言って、聖は両手で私の頬を挟み、チュッと軽いキスをしてくる。
いつでもどこでもだから、とても恥ずかしい。
これが、聖の悪い癖で、何度言っても直らない。いや、直そうとしない、が正しい。
聖は私の年下の彼氏である。
だから、私は、ちょっとお姉さんぶって、
「こら、人前で、止めなさい!」
と、怒ってみる。
「スキンシップだよ。仲良しの印。」
聖は、悪びれもせず、平気な様子で返してくる。
「さあ、早く行こう!みんな待ってるよ。」
と、左手で私のバックを持って、右手で私の手を掴むと、歩き出した。
私は、駅の改札口で30分も待たされたのだ。