年下彼氏とSweet Life
声をかけようか、躊躇していたいる私を見つけて、聖は嬉しそうに、
「泉、終わった?」
「う、うん。」
私は、戸惑いがちに答える。
「じゃ、行こう。」
聖は立ち上がると、私の方に歩いてきて、その流れで私の手を掴むと、とっとと外に出た。
外に出た聖は、いつもの聖だった。
「何処が見応えがある?」
「あのね、美術部の絵は、圧巻だと思うよ。全員で作成したすごーく大きな、壁画みたいな絵なの。なんか、引き込まれそうな感じ。」
「へぇ、それはぜひ観ないとね。」
端から見たら、私たちは、どう見られているのだろう。
二人でいる時間は、普通のカップルだけど。
でも、今日の聖は、改めて見ると、グレーのTシャツに黒い細めのデニム、大きめの腕時計、クロスのアクセサリーと、もう少し背が高ければ、高校生にも見える。
その横顔は、鼻はすっと高く、細めの目は綺麗な二重、顎のラインが羨ましいくらいシャープだ。
決して小学生には、見えない。
そして私が見とれるくらい、綺麗な指をしている。こんな指があったら、ピアノももっと上手く弾けるだろうな。