年下彼氏とSweet Life


私は、両親とオーストリアに来ている。

観光ではなく、音楽の仕事(手伝いだけど)としては、初めてだ。

普段から私の回りは、音楽との関わりが多い。

それでも、楽団の音楽に対する熱き情熱に、私の心は震えて出していた。

ここで、両親から、私は一人のピアニストを紹介された。

彼は、ルドルフ・シュナーベル。

世界的にも有名なピアニストだ。

そして、私のピアノを聴きたいと言うので、恥ずかしながら、拙いピアノを弾いた。

聴いた後、両親と目を合わせて、目配せしたと思ったら、急に私の元に駆け寄り、私の手を両手で握りしめ、ゆっくりとした英語で、


「泉、オーストリアにおいで、僕がレッスンをつけるよ。」


と言った。


私は、突然のことに、キョトンとしてしまった。

父が、代わりに

「ルー、後で泉と相談して、返事をするよ。」


『寝耳に水』とは、こういうことか!



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