年下彼氏とSweet Life
帰国してから、両親からも、ルドルフからの申し出の詳しい話があった。
大学に入ってから、父のレッスンを受けているが、父も忙しく、片手間で教えても、なかなか成果が見えてこない。
だから、ルドルフに私のピアノを聴いてもらい、ルドルフが教えてもいいというなら、短期で留学をしてはどうか、と言うものだった。
留学なんて、自分とは関係ないもののカテゴリーだったから、戸惑いが半端なく大きい。
「短期って、どのくらい?」
「まあ、来月はこちらの大学の試験もあるから、10月から行って、半年間くらいか。状況によっては、もう少し伸ばしてもいい。」
と、父。
「泉、音楽家なら、留学は当たり前のことよ。聖くんとのこともあるだろうけど、チャンスは逃さないでほしいの。」
と、母。
二人とも、娘の私を心から心配してくれていると、感じた。
受験を控えた聖に、何と言おうか。
すぐに、行くと言えない自分が、情けない。
「少し考えさせて。思ってもいなかったから、びっくりしてしまって、時間を頂戴。」