年下彼氏とSweet Life


正式に付き合うと言っても、大人とは違うから、どう対応してよいか、いつも迷いがちな私だった。

兎に角、聖は、物怖じしない。

いつも堂々としていて、どちらが年上か、わからなくなる。




聖が5年生、私が高校1年の夏だった。

それまでは、親同伴の食事会や集まりが主だったけど、私が高校生になり、二人で出かけるようになった。

その日は、聖と水族館に来ていた。

お小遣いでデートするから、私は、初めから、割り勘を約束してもらった。

そう言うと、嫌な顔をした聖だったけど、お付き合いを止めてもいいよと言うと、しぶしぶ了解してくれた。

夕方、チラホラ街の灯りがつき出した頃、最後に水族館の隣にある観覧車に乗ろうと、列に並んだ。

「あれ、聖君?」

「美麗ちゃん」

聖は、友達に会ってしまった。

「お隣はお姉さん?」

どうやら、職場体験に行っていた私を覚えていないようで、よかった。まあ、2年も前のことだからなあ。

私は、透かさず、

「姉ではなくて、親戚なの。」

と答えた。

順番が来て、聖と私は観覧車に乗り込んだ。

でも、聖は景色を眺めているだけで、何も話してくれない。

「聖、どうしたの?」

聖は、不貞腐れたように低い声で、

「泉は、いつ、僕の親戚になったのさ。」

不機嫌最高潮だ。これには困った。

どうすれば、機嫌を直せるのだろう。兎に角、誤らなくちゃ。
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