年下彼氏とSweet Life


泉は、鎌倉では大好きな鳩サブレを買わなくては、とお店に入っていった。

店の中は、休日でもあるし、お土産の定番だからか、すごい混みようだった。

はぐれてしまわないように、手を繋いでいると、中学生くらいの女の子たちが、俺を見て、囁きあっている。

「ねぇ、あの人、格好いいね。私の好み、ドンピシャだわ。」

「でも、隣に彼女がいるじゃん。」

「そうだけどさ。」

「彼女とはぐれないかなあ。そしたら、声かけるのに。」


『おいおい、迷惑だから、止めてくれよ。』と心の中で叫んでいた。



鳩サブレを買い終わると、泉が、

「聖、トイレに行ってくるね。」


と、泉は、さっさとトイレに行ってしまった。

俺は離された手を見て、泉もこの頃、遠慮がなくなってきたなあ、と嬉しくなって、ニヤニヤしていたようだ。

「何が、嬉しいんですか?」

と、さっきの女の子たちとは、別の女の子二人組が話かけてきた。
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