年下彼氏とSweet Life


俺は素っ気なく、

「別に……」

と答え、女子トイレの前まで、泉を迎えにいった。

相手をしてられないよ、まったく!

泉は、トイレから出てくると、

「えっ、ここで、待ってたの?」

と、『おかしいだろ』みたいに言うから、

「だって、泉はすぐに迷子になるだろ。」

「そんなことないよ!」

とふて腐れる。そこがまた可愛くて堪らない。

今日も、泉との時間を満喫して、俺は幸せ一杯だ。


そろそろ今年の夏休みの計画をたてなければ。

「泉、今年の夏休みは、何がしたい?」

「そうだね。考えてみるよ。聖は?」

「泉が一緒なら、何処でも行くし、何でもするよ。」

「もう!いつもそう言って、結局、聖が決めるでしょ。」

「だから、今年は、泉の希望を優先させるよ。それに、泉の受験もあるからね。」


「わかった。早めに言うね。候補があれば、聖も言ってね。」


後日、泉から、進学の相談を受けた。

俺は、

「俺の嫁さんになればいいよ。」

と、言うと、

「聖、真剣に相談してるのに!」

と怒られた。いや、俺は本気だから。

俺の本気は、泉に伝わらないのかなあ。
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