年下彼氏とSweet Life


3月のコンサートの3日前には、母がドレスを持って、早めに来てくれる。

なにしろ、オーストリアでドレスをあつらえるのは、大変だと思っていたから、大いに助かった。それも、新しいドレスを作ってくれたようで、今から楽しみだ。

しかし、日に日に、プレッシャーが大きくなり、私は、かなり参っていた。

当日、私は、どうにかなってしまいそうだ。

南川さんは、余裕で、羨ましくなる。コンサート慣れしているのだろう。

シュナーベル先生は、気楽にいきなさいと言うが、そうできれば私だって苦しまないよ。




2月になり、ウィーンは、雪一色だ。朝方は、マイナス10℃になり、とても寒い。

そんな中、事故は起きた。

私は、学校を出て、バスに乗るために歩いていた。

突然、雪にスリップした車が私めがけて、突っ込んできた。

私は、逃げることもできず、壁に叩きつけられた。

そのまま、意識を失い、病院に運ばれた。

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