夜の甘やかな野望~White Night~
宗忠は紳士らしく倫子のむき出しの肩にファーのコートを羽織らせる。
そして手を引いて車の助手席に導いた。
ジョークかと思っていたが、車で連れられてきて外に出て思う。
本当に丘だよ。
でも斜面の雪は階段状に踏み固められ、頂上には、リゾートで見る天蓋のような真っ白な大小のテントが張ってあった。
「固めてあるけど、気を付けて」
手を引きながら階段を上がっていく。
大きい方の天蓋テントの前につくと、一目でウェイターとわかる男が一礼した。
「お待ちしておりました」
「うん。
倫子さん、どうぞ」
天蓋の入り口の布が引かれて、中に促される。