夜の甘やかな野望~White Night~
そこにはテーブルと椅子が2客並んで置いてあった。
シルバーのテーブルクロスに、ホワイトのアレンジメント。
銀で模様が描かれた飾り皿に、並んだカトラリー。
席につくと、天蓋の入り口から雪景色が眺められる。
「これって」
想像もしていなかったのに倫子が言葉を失う。
「クリスマスランチ。
さすがにこの場所でディナーにすると、凍死するかなと思って」
宗忠は柔らかに微笑した。
陽の光で輝く雪景色を見ながらの食事。
あえて乙女にならないように生きている倫子でも、宗忠の演出には姫気分になる。
「う、うれしい、かも」
「よかった」
カミカミのつたないお礼を、宗忠はおおらかに受け止める。