* 恋愛ジャンキー *
いつもより少し控えめにあたしを呼んだのは夾だった。
「夾!ごめんね、待たせちゃってたよねっ。」
「全然大丈夫だけど少し遅いから心配になって…。」
夾の声に反応して夾の元へと駆け寄った。
日誌を出しに行くだけにしては遅いあたしのことを心配して来てくれた夾はどこまでも優しいなぁ。
「くるみの友達か?」
あたし達のやり取りを後ろで見ていたハル君が聞いてくる。
「うんっ!あたしの彼氏の成海夾君っ!」
改めて彼氏って紹介すると照れるなぁ…。
「へー。あんだけ男嫌いだったくるみも遂に彼氏できたのか。
にしても彼氏君、可愛い顔してんなー。」
ハル君が少し意地悪な顔をして夾に言う。
ハル君は昔から優しいんだけど
時々意地悪なこと言ってからかってきたりするんだよねー。
そんなハル君に対して夾が少しムッとした顔で応える。
「そりゃどーも。
くーちゃんもう帰ろ?」
それだけ言うと夾はスタスタと下駄箱の方へと歩いて行った。
「あ、夾待ってよっ!
ハル君また今度ゆっくり話そうねっ!
じゃあまたね!」
「おう、気をつけて帰れよー。」
ハル君に挨拶をしてからあたしも急いで夾の背中を追って走った。