海の音〜第一章〜
親父…親父…。
組長「でね…その下にお袋さんが居たんだ。
親父さんが必死で守ったんだろうね…。すぐに運ばれて、今は集中治療室に居るよ。
重体でね…生きてるのも奇跡に近いそうだ。
今から一緒に会いに行こう?」
匠「うっ…はい…。」
組長「…。奏多!お前も来い。」
奏多「あぁ…。」
親父…。やっぱり、親父はかっこいいよ。
母さんを守ったんだな…。すごいな…親父……。
病院に着いた時母さんの体には沢山の器具が張り巡らされていた…。
匠「…っ。母さん。ごめんな…。俺が弱いから。」
母さんの手は温かった…。
一日中母さんの手を握っていた時、ピクっと母さんの指が動いた気がした…