キャンディー
地下街へ行こうと階段を下りかけた、その先に 少し腰の曲がった おばあさんが ゆっくりと 階段を下りていた。

見ると両手には荷物を 抱えていて とても重そうにしていた。私は迷わず おばあさんに駆け寄り

「大丈夫ですか?持ちますよ」

と、声をかけ荷物を スッと持ってあげた。

おばあさんは「すみませんねぇ〜」と申し訳なさそうに言うと、安心したのか 私に色々話しかけてきた。
「息子夫婦と会うために田舎からでてきたんだけど、たいしたもん入ってないのに荷物が多くてねぇ〜」

「さっきも、お土産 買って店から出てきたら 方向が解らなくなってねぇ…。息子と待ち合わせしてた場所も さっぱり、解らんくなったんよぉ〜」

優しい口調で ゆっくりと話し出した。

「おばあさん。その場所まで案内しますよ」

そぅ言うと おばあさんは満面の笑顔で喜んでくれた。私は おばあさんの笑顔を見てるだけで 何故か温かい気持ちになっていた。
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