キャンディー
キャンディーを受け取ると、おばあさんは いきなり 変な事を 言ってきた。


「辛くて苦しい時。 願いを唱えながら あめ玉を舐めなさい。必ず 願いが叶うからね」


「そのかわり、この、あめ玉の事は、誰にも言っちゃいけないよぉ〜…幸せが逃げちゃうからね〜」


私は キョト〜ンと おばあさんを見つめていた。それから一瞬、手元のビンに目を向け お礼を言おうと 頭をあげると

そこには もぅ おばあさんの姿は無く 人の行き交う波でしかなかった。私は、必死で探したけれど 結局 見つからず、息子さんらしき人にも会うことは無かった。


私は そのビンを にぎりしめながら 青い空を見ていた時に感じた 不思議な感覚を何故か思い出していた。
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