好きな人は幼馴染み
思わず振り返ると
エイちゃんが覗き込むように
私を見ると


「…亜子??」


と、慌てた様子で近寄ってきたので
急いで逃げようと思って
ドアを開けようとしたけど
こういう時に限って玄関の鍵が閉まっていて


あっけなく捕まってしまった…



もう、ママのばかぁ〜



いつもオートロックって便利〜って
言いながら玄関の鍵なんか開けっ放しのくせにぃ〜



「…泣いてるの…?」



私の涙を拭いながら
片方の手で私の手首を掴むと



バタンッ



私の家の隣にあるエイちゃん家に
押し込むように入れられた。


うわぁ〜っ
高いっ‼︎
エイちゃんはいつもこんな高い景色を見てるんだ…


じゃないっ!
なにこれ〜


玄関に入ると私を片手で持ち上げて
ズカズカ家に入るエイちゃん。


リビングにはエイちゃんのママがいて


「あらぁ〜 英輔!!
おかえり〜!!
アコちゃんも〜!!
うわおっ!って、英輔!!
女の子はもっと丁寧に
扱わないと嫌われちゃうわよ〜」


エイちゃんは
エイちゃんママの方をチラッと見ると
そのまま素通りして
私を抱えたまま


部屋へ入ると


バタンッ


ベッドに鞄を投げて
私をソファに座らせると
靴を脱がせて


自分は机の椅子にズカッと座った。











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