奪いとれっ!!
─────アパートのドアをノックしたけど返事がない。


寝てるのかな?


ドアノブに手を掛けて、


”カチャ”


わずかにドアが開いた。


あっ開いた。鍵かけてないのかな?


恐る恐るドアを開けてみる。


見覚えのあるキッチンに、その先には和室。


と、獅倉くんは布団の上で寝ていた。


「お邪魔します」


小声で言うと忍び足で部屋に入り、彼が寝ている横に座った。


うふふ、可愛い寝顔。


苦しそうな顔を見ているのは辛かったから、ホッとしちゃった。

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