奪いとれっ!!
勝手に入っちゃったけど、平気だったかな?

って、今更遅いけど。

部屋を見渡すと、本棚には沢山の小説や漫画、参考書。


その一冊を取ってパラパラと中を見る。


「うわぁ、凄い」


私が取ったのは英語の参考書。


中にはビッシりと書き込みがある。


凄い勉強してるんだ。


改めて獅倉くんの寝顔に視線を移すと、スヤスヤと眠ってる。


一人暮らしするのも大変なのに、バイトして勉強も頑張って....。


獅倉くんへの想いがジワジワ込みあげてきて。


私、あなたが好きです。

たとえあなたの中に私の存在が無くっても。

あなたに誰か好きな人がいたとしても。

私はあなたが好きです。



そっと彼の寝顔に呟いていた。

< 109 / 320 >

この作品をシェア

pagetop