奪いとれっ!!
「それだけじゃないけどさ、色々あって。俺んち複雑だし。それに俺、あちこちで喧嘩してるから瑠理香を危険な目に遭わせたくなかったし。こないだみたいな事あるだろうし」


獅倉くんはうつむいた。


「俺....ひがんでるかもね、有史や瑠理香みないに幸せそうな人間を」



獅倉くんの言う幸せって何かな。


お父さんとお母さんがいて、帰る家があって自由に生きられること?

欲しい物が何でも買えて、何不自由のない生活のこと?

それとも、好きな人がいることかな?

私の幼い頭ではせいぜいそれ位が限界。




「獅倉くんは幸せじゃないの?」


「たぶん」


彼は自嘲気味に笑う。


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