奪いとれっ!!

「俺一人だったらどうなってもいいんだ.....たとえばのたれ死んだって」


....そんな。


「どうしてそんな事言うの?!やだよそんなのっ!!」



「俺さ.....生きる意味がわかんなくって、いきがって、無茶して。

はけ口がないと、どうにかなりそうで。

何で俺は生まれてきたんだろうな。時々、心にぽっかり穴が空くんだ。友達、先生、後輩、先輩....母親....いくらい優しい言葉を掛けてもらっても心は埋まらないんだ」


「.......」



獅倉くんは私を見つめた。



「瑠理香に会って、生きる意味を見つけたよ」


「私?」


「そっ。お前を助けたり、助けてもらったりして瑠理香と接点があったろ?
俺、たまらなくお前を好きになってたみたいだ。

幸せって何だろうな?大切な人がいる.....ことかな」


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