奪いとれっ!!
足元の芝生をちぎると『意味わかんねえよなっ』言いながら投げる。


「親父からの経済的援助は正直助かるけど、俺はそれに反発して一人暮らし始めたわけ。学費はどうにもなんないけど、家賃や生活費は親父に頼りなくなかったし」


それで一人暮らしを.....。


「男として親父は最低な奴だと今でも思ってるし、俺は親父みたいにはならないって思ってる。でも何の力もない若造が一人で生きていけるほど世間は甘くなくってさ....己の無力さを思い知ったって言うか....」


彼は小さくため息をつく。


「ま、色々ヤケになったこともあるし、生きるのが辛くなったこともあるし....死のうと思ったこともあるし....運命を呪ったこともあるし」



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