奪いとれっ!!
「大久保から聞いたんだけど、君アパートに住んでるのによく暁月高校の学費払えるねぇ?」


場の空気が一瞬にして凍り付く。

ゆず子や有史くんも驚きを隠せない。


「高い学費を払うより、もう少しマシな家にすんだ方が良くないか?暁月の学費ならオシャレなワンルームに越せるだろう?」


みんながいなかったら、思いっきり平手打ち食らわしてるのに。


「はっ?遼さんがとやかく言う問題じゃないでしょ。人の家庭に口出しするもんじゃないと思うよっ!」


「ま.....そうだねぇ.....人の家庭だからねぇ」


意味深な笑みを浮かべる遼さんは、最高に不快だ。


「堅斗、帰ろっ」


堅斗の腕を掴むと私は出口へ歩き出す。


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