奪いとれっ!!
*****


「────門限?」


「うん、急に言い出して」


「仕方ないんじゃない?」


予想外なんだけど?

堅斗が驚かないことに、私が驚いた。


彼のアパートでいつものように食事を一緒に済ませて、私は食器を洗い終わると、堅斗の隣に歩み寄る。


「だって、今までみたいに会えなくなるんだよ。堅斗は平気なの?」



私を抱き寄せると、

「平気じゃないけど、親が言うんじゃ従うしかないだろ?」


『門限なんて気にすんな』って言ってくれると思ってたのに.....。

何だか寂しい。


どうして堅斗は平然としていられるの?


切ないのは私だけなの?


涙がぽろぽろこぼれてくる。

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